内臓の病気による腰痛(内臓の病気の症状として現れる腰痛)
2023.03.09 (日)
腰痛を引き起こす内臓の病気にはどんなものがある?
内臓の病気による腰痛(内臓の病気の症状として現れる腰痛)
(どんな症状ですか?)痛みが和らがず他の症状をよく伴う 骨や神経の障害ではなく、腰痛を引き起こす内臓の病気の例として挙げられるのは、胃や十二指腸の潰瘍や、肝臓や膵臓(すいぞう)、胆のうの炎症や腫瘍といった消化器系の病気などです。また、尿路結石などの泌尿器系の病気や、子宮がんなどの婦人科系の病気、心筋梗塞などの循環器系の病気が原因になることもあります。 内臓の病気が原因で腰痛が起こるとき、多くの場合は腰の痛みだけでなく、発熱や腹痛を伴なうことが多くあります。このような症状がある場合は、整形外科よりも内科を受診しましょう。 単に風邪をひいたときも、腰痛と発熱が同時に起こることはあります。また、まれなケースではありますが、MRIで大動脈瘤が見つかることもあります。 内科の病気が見つからなかったのに発熱と腰痛が続く場合は、下で紹介するような、椎体炎・椎間板炎などの重い感染症にかかっている可能性があります。
●骨への細菌感染 下記でも紹介する椎体炎・椎間板炎は、肺炎や膀胱炎の細菌が脊椎に感染することで起きます。急性・亜急性・慢性の3タイプがあり、急性は背中の痛みや発熱・吐き気・倦怠感などを伴います。 ●がんの腰椎への転移 内臓にできたがんは背骨に転移しやすく、特に腰椎のリスクが高い傾向があります。動作に関係なく腰が痛み、体重の減少や食欲の減退などの症状を伴う場合は、がんの転移の可能性も検討しましょう。 ●尿路結石・腎炎 腰痛だけでなく激しい腹痛を伴う場合は、尿中の成分がかたまった「結石」が尿管を移動する尿路結石の可能性があります。腎臓で細菌が繁殖する腎炎は、吐き気や血尿、高熱を伴うことが多いです。 ●婦人科系の病気 通常の月経時や不正出血が起きた時に腰痛を伴う場合は、月経困難症、子宮後屈、卵巣嚢腫といった婦人科系の病気の可能性が高くなります。また、更年期障害が腰痛を悪化させる場合もあります。 ●消化器系の病気 胃や十二指腸の潰瘍、肝臓・膵臓・胆のうなどの炎症によって腰痛が起きる場合は、発熱や腹痛を伴うことがほとんどです。安静にしていても痛みが和らがない場合は、可能性が高くなります。 ●大動脈解離 \命に関わるので注意!/ 最も太い血管「大動脈」が腰付近で裂けることで起こる腰痛です。大動脈が裂けていると、全身の血の巡りが急激に悪化して死亡する危険もあるため、普段から血圧の管理が大切になります。