意外と知られていない副腎とは貴重な存在

2021.04.26 (木)

副腎とは
副腎とは腎臓の上に位置する約2~3cmの小さな三角形の臓器で、左右1対ずつあります。1つは約4~5g程度の小さな臓器ですが、人が生きるために必要なホルモンを分泌するとても大切な臓器です。

ホルモンの働き
001med_174副腎は大きく分けると皮質と髄質に分かれており、皮質からはアルドステロンとコルチゾールおよびテストステロン、髄質からはアドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。

アルドステロンは体内の塩分や水分の調節をしたり、血管に直接働きかけたりすることで血圧の調節をします。また血液中のカリウムという電解質を減らす作用もあります。
コルチゾールは血圧を上げたり、血液中の糖や脂肪分を増やしたりする働きをしており、人間が生きるのに必要なホルモンです。ストレスを受けると血液中にコルチゾールが増えるので、ストレスホルモンとも呼ばれています。
アドレナリンとノルアドレナリンはどちらも血圧や脈拍を調節する大事なホルモンです。

副腎の病気とは
副腎疾患には大きく分けて2つの病態があります。ホルモンの分泌が多すぎる場合と、少なすぎる場合です。

分泌が多すぎる原因の1つに、副腎にできるおでき、つまり副腎腫瘍(しゅよう)があります。

過剰になるホルモンの種類によって症状や病態が異なるため、それぞれに病名がついています。

住血吸虫とは寄生蠕虫(ぜんちゅう)の住血吸虫を病原体とし、川などの淡水に生息するある種の巻貝を中間宿主として感染します。病状が進行すると下痢や血便などを引き起こし、さらに放置した場合、長期にわたり肝臓などを痛めることとなり、また、特定の臓器にガンを誘発して死に至ることもあります。
2011年にCDC(Centers for Disease Control and Prevention、アメリカ疾病予防管理センター)が発表したデータによると、世界で2億4千万人が感染していると推定されます。

 住血吸虫症は、淡水に住む巻貝(ミヤイリガイなど)を中間宿主として住血吸虫が人に感染する病気です。住血吸虫には複数種あり、人体に感染するものとして、マンソン住血吸虫、ビルハルツ住血吸虫、日本住血吸虫があります。加えて、同じく人体に有害なメコン住血吸虫、インターカラタム住血吸虫がありますが、感染頻度は先に述べた3種よりも低い傾向にあります。
 人が泳いだり、洗濯をしたり、体を洗ったり、排泄をするために淡水に入った時に、巻貝の口先から排出された住血吸虫の幼虫が人の皮膚から人体に侵入します。
 人体に侵入した幼虫は血管内において数週間で成虫になり、血管内で産卵します。卵の中には膀胱や腸に移動するものもあり、これらはやがて尿や便とともに排泄され、再び感染の連鎖を生み出します。また、体内にとどまった卵は内臓系にダメージを与えることがあります。
 このように、住血吸虫症は、寄生虫が産卵した卵による生体反応によって引き起こされます。

症状
住血吸虫の産卵までは通常14~74日間ですが、感染直後は多くの人には症状が見られません。産卵後、少し経過してから主に腸と泌尿生殖器に症状が現れます。
 急性感染の場合は、感染して数日で発疹や皮膚の痒みが起こります。1~2カ月後には、発熱、悪寒、咳などの呼吸器障害、筋肉痛といった症状が現れます。加えて、肝臓腫脹や脾臓腫脹を伴う好酸球増多症がしばしば現れます。
 住血吸虫が産卵すると、卵が腸や肝臓、膀胱などの血管に移動して、周囲に炎症性変化を起こし、下痢、便秘、血便を引き起こします。特に子供は、長期にわたり繰り返し感染することで貧血や栄養不良に至り、通学が困難になったり、深刻な学習障害を引き起こすこともあります。
 感染後、治療せず数年放置すると、人の免疫反応により肝臓、腸、膀胱にダメージをおよぼし、腸壁の潰瘍、過形成、ポリープ症、肝硬変、膀胱ガンといった深刻な症状に発展するケースもあります。加えて、生殖器への障害(女性が感染すると子宮頚部や卵管など、男性は精嚢や前立腺)も見られます。また、まれに脳や脊髄で卵の存在が確認されることがあります。脳や脊髄に卵が移動すると、発作や麻痺、脊髄炎を引き起こします。<住血吸虫症患者の腕の様子> CDC
治療方法
診断方法
 感染が疑われる場合には、住血吸虫の卵の有無を確認するため、検便または検尿を行います。
 なお、マンソン住血吸虫、日本住血吸虫、インターカラタム住血吸虫は腸管壁の静脈内で便の中に卵を産卵します。ビルハルツ住血吸虫は、膀胱の静脈内で産卵するので、尿中に虫卵が出現します。
 サハラ以南のアフリカでは、マンソン住血吸虫とビルハルツ住血吸虫が共生している地域があるため、検便と検尿の両方を行います。さらに正確な診断には、血清検査を行います。血清検査は、感染後(推定)6〜8週間後に、感染者に抗体ができた段階で行います。


治療方法
 治療にはプラジカンテルという薬を使用します。この薬は成虫に対して効果があるため、成虫になった頃(感染後6〜8週間経過し、充分な抗体が出現した頃)を見はからって投薬する必要があります。通常は1日の投薬で治療でき、投薬後1~2カ月の時点で再度検査を行います。しかし、免疫機能が弱っている場合には、2週間から4週間後に再度同じ治療を行います。


予防方法
 予防ワクチンがないため、住血吸虫症のリスクがある地域では、淡水に入らないことが重要です。飲料水は、フィルターでろ過したり、1分程度沸騰するなどして安全な水を使用します。入浴のための水も使用前に1分程度沸騰させます。1日~2日間、放置した水も入浴に適しています。

感染リスクのある地域
 発症の90%はアフリカと推定されます。特に、南アフリカおよびサハラ以南の淡水はすべて感染のリスクがあります。また、北アフリカのマグレブ地方、エジプトとスーダンのナイル川渓谷も感染リスクが高い地域です。
 アフリカ以外では、南アメリカ(ブラジル、スリナム、ベネズエラ)、カリブ海沿岸(ドミニカ共和国、グアドループ島、マルティニィーク島、セントルシア)、中東(イラン、イラク、サウジアラビア、イエメン)、中国南部、東南アジア・フィリピン・ラオスの一部などもリスクが高い地域です。

推定感染者数
 世界78カ国で2億5千万人以上が感染しているとの報告があります。また、2014年に治療を受けた人は約6160万人と報告されています。

推定死亡者数
 2011年にCDCが発表したデータによると、住血吸虫症によりアフリカだけで年間28万人が死亡しており、もっとも死亡者が多い顧みられない熱帯病です。このうち、20万人がサハラ以南のアフリカに集中しています。

製薬会社・NGOなどの取り組み事例
 住血吸虫症の制圧にはプラジカンテルによる集団投薬がきわめて重要です。加えて、携帯用の水の提供、適切な公衆衛生、衛生教育、中間宿主である巻貝のコントロールが欠かせない要素です。
 2001年、WHO(世界保健機関)の第54回世界保健総会において、住血吸虫や土壌伝播蠕虫の蔓延国における制圧に関する決議が採択されました。さらに、2010年までに感染リスクが高い学童の75%以上、可能であれば100%に定期的な治療を行うことを目標としました。
 2013年時点で、WHOでは、流行地域のコミュニティ全体を対象としてプラジカンテルの定期的な集団投薬を行っています。その中では、感染リスクがもっとも高い学童、漁業従事者、農業従事者、灌漑施設従事者、淡水を使用して家事をしている主婦を、集団投薬の対象としています。

 感染が特に多く見られる地域では毎年投薬することが重要ですが、その効果を検証することも大事です。プラジカンテルが入手困難な地域も多く、2011年には必要とする人々のわずか10%にしか行き渡っていないとされています。
 一方、過去20年間でブラジル、カンボジア、中国、エジプト、サウジアラビアでは感染コントロールに成功をおさめています。モロッコでも感染が止まったことが報告されています。
 WHOでは、様々なパートナーと協力して住血吸虫症の制圧に取り組んでいます。2012年には3500万人(そのうちの83%がサハラ以南のアフリカの感染リスクのある人々)に投薬を行いました。現在はメルクがWHOを通してプラジカンテルを無償提供しています。

※6月に未曾有の出来事が起こります

関東地区の方は何が起こっても大丈夫な準備を

新型コロナの感染拡大でオリンピックは中止ではなくこの件で中止になります